去年の年末に制作した、ハウルの動く城の丸型ミニパネルを先日一部作り直しました。
当初の仕上がりに色々と納得がいっておらず、正直見るたびに複雑な気持ちになり、何度YouTubeの動画も消すか悩んだことか。
ありがたいことに、私は毎年10月に東京都美術館にて行われる公募展「美術の祭典 東京展」に作品を出展させて頂いているのですが、今年このハウルパネルにも日の目を見せてやりたく、このままでは絶対に出せないので、これを機に直そうと思い立ったわけです。
修正の結果、まだ課題は残るものの、だいぶ良くなりました。
ジブリオタクとして馬鹿みたいにこだわりを詰め込んだので書き残しましたが、ジブリ好き以外は読んでも「へぇ…(引き)」となるかもしれません。
デザインのこだわり
2つの対
赤・青・黒・緑の4つのパーツ、実は2ペアの対になっています。
- 赤・青 =ことの始まり
- 緑・黒 =それまでの2人
赤・青 =ことの始まり
劇中で出てくる荒れ地の魔女の呪い、
汝、流れ星を捕らえし者、心無き男。お前の心臓は私のものだ。
ハウルの動く城 劇中セリフより
私はこの言葉が、ハウルの動く城という物語の元素だと思います。
流れ星と出会った少年・薄情でダメな男・それでもその男を捨てられない女。
ハウルの物語は「ハウルが流れ星と出会ったこと」「荒れ地の魔女から、とばっちりでヒロインが呪いを受ける」が2大要素であり、ことの始まりなんですよね。
赤青パーツはどちらの絵も流れ星を掴んだハウルなので、綺麗に対にできるなと。 何より、どちらの絵柄も絶対にデザインにいれたくて、もうコレをやりたくて作ったような作品というか。
Red on Blueのかなり濃い赤の被せガラスを使用。
Red on Amberや、on clearもあったけれど、赤から青が浮き出ている方が妖しげな炎の感じが出ると思い青をチョイス。
くっきり綺麗に削り切らず、もう少しラフに削った方が焼け焦げた呪いの感じが出たかも?
Blue on clearの被せガラスを使用。
シルバーステインであえてムラを作り、手の真上→炎のへグラデーション。
緑・黒 =それまでの2人
一方、緑と黒は出会うまでのハウルとソフィー2人を表しています。
緑はソフィーの帽子屋の看板です。ソフィーは帽子がトレードマークだし、「この店を継がなければ」という気持ちがアイデンティティのヒロイン。
また、緑表示のドアは荒れ地に繋がっており、ソフィーは荒れ地を彷徨っているなかでハウルの城に入っています。
黒は鳥に変身したハウル。劇中で黒表示のドアは戦地に繋がっており、ハウルは呼び出され嫌々ではあるものの戦争参加に明け暮れて生きていました。
Before制作時はハウルの髪は特になにもしませんでしたが、Afterでは金髪に染めました。
黒いガラスで良いのがなかったので、クリアガラスを黒く塗っています。
ボーダー(枠)は星の子
ボーダー部分にBeforeではブルーグレーのアンティークガラスを使っていましたが、Afterでは思い切って、オパールセントガラス(半透明でガラス自体に模様がついているもの)を使ってみました。
黒く塗った絵具を削って絵を出すなら、下地がカラフルな方が映えるだろうと思い、ちょうどいいガラスもあったので。
更に一部をシルバーステインで黄色く染めることで華やかさをプラス。
赤青のパーツも半透明で色ムラのあるガラスを使用。何を表現したいパーツなのかわかるようカルシファーをちゃんと描きました。
カルシファーはハウルといるときは元気(赤い炎)ですが、ソフィーや荒れ地の魔女といると酷い目に?あうからなのか青い炎になることが多いです。
色合い的にも上段の黒青の近くに赤、下段の赤緑の近くに青が来る方が映えるので、赤は上、青は下に配置。
Before After 比較
失敗の原因&改善策
- 丸がひん曲がっている
- ボーダー(枠部分)が細すぎる
- 〃 の絵具の塗りが薄すぎて、塗りと剥がしのメリハリがない。結果、鉛線も目立つ。
- 上下の赤と青のパーツが何をしたいのか不明、中途半端
- ガラス切り直し。カットを型紙通りぴったりに
- 鉛線で隠れる部分を考慮してデザイン、ピースのサイズを決め直し
- 恐れずに絵具を濃く塗って、しっかり剥がすことでメリハリつける
当時から「なんか~、なんか綺麗じゃない…!」とモヤモヤしていたけれど、もういまはBeforeを見るのがしんどい。
直して本当によかった、、、動画もそのうち編集しなおして再投稿します。
あとがき
デザイン時にマルクル・カブ・ヒンとかの要素皆無だからボーダーに入れちゃえないかな?と一瞬よぎったのですが、いままでの経験上、欲張りは身を滅ぼすとわかったのでやめました。
昼でも夜でも綺麗に鑑賞できる作品になったので、そこはよかったです。
圧倒的に制作数(場数)が足りないので、もっと頑張らないと・・・。
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